Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちはやかんのめいろ

千早館の迷路

海野 十三

Lisez 千早館の迷路 (ちはやかんのめいろ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 24 829 caractères · 50 écrans

Aozora Bunko

そして寝る部屋はおろか、住む部屋さえ見当らないということよ」

「じゃあ現在、誰も住んでいないんだね」

「魔性の者なら知らぬこと、まともな人間の住んでいられるところじゃない」

魔性の者? 横で聞き耳を欹てていた春部は、どきんとした。

「ねえお婆さん。千早館を見物に、同じ女がちょくちょくやって来るのを知らんかね。背のすんなりと高い、顔の小さい、弁天さまのような別嬪だが……」

帆村は、ちょっとかまをかけた。

「ああ、あの女画描きかね。あの女ならちょくちょく来るが、ほんとに物好きだよ。物好きすぎるから嫁にも貰い手がなくて、あんなことしているんだろう」

「その女画家は、千早館に泊るんかね」

「いいや、聖弦寺に泊るということだよ。聖弦寺というのは、千早館の西寄りの奥まったところにあるお寺のこんだ」

「寺に女を泊めるのかね」

「なあに、住職なしの廃寺だね。そこであの女画描は自炊しているという話じゃが、女のくせに大胆なこんだ」

「お婆さん。その女画家から何か貰ったね」

「と、とんでもねえ。わたしら、何を貰うものかね、見ず知らずの阿魔っ子から……」

帆村は軽く笑んだ。

「私もお婆さんにいろいろ聞いたから、お礼にこれをあげよう」