Classiques japonais avec furigana
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なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Lisez 南地心中 (なんちしんじゅう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 205 caractères · 79 écrans
御免も失礼も、会釈一つするんじゃない。
しかし憎くはなかったぜ。君の親方が舞台に出ていて、皆が夢中で遣る事なんだ。
憎いのは一人狂犬さ。
やっと静まったと思う間もない。
(酒か、)と喚くと、むくむくと起かかって、引担ぐような肱の上へ、妾の膝で頭を載せた。
(注げ! 馬鹿めが、)と猪口を叱って、茶碗で、苦い顔して、がぶがぶと掻喫う処へ、……色の白い、ちと纎弱い、と云った柄さ。中脊の若いのが、縞の羽織で、廊下をちょこちょこと来て、ト手をちゃんと支いた。
(何や、)と一ツ突慳貪に云って睨みつけたが、低声で、若いのが何か口上を云うのを、フーフーと鼻で呼吸をしながら、目を瞑って、真仰向けに聞いたもんです。
(旦那の、)旦那と云うんだ。(旦那のここに居るのがどないして知れた、何や、)とまた怒鳴って、(判然ぬかしおれ。何や? 番頭が……ふ、ふ、ふ、ふん、)と嘲けるような、あの、凄い笑顔。やがて、苦々しそうに、そして切なそうに、眉を顰めて、唇を引結ぶと、グウグウとまた鼾を掻出す。
いや、しばらく起きない。
若手代は、膝へ手を支いたなり、中腰でね、こう困ったらしく俯向いたッきり。