Classiques japonais avec furigana
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なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Lisez 南地心中 (なんちしんじゅう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 205 caractères · 79 écrans
狂犬がむっくり、鼻息を吹直した。
(柿があるか、剥けやい、)と涎で滑々した口を切って、絹も膚にくい込もう、長い間枕した、妾の膝で、真赤な目をくと、手代をじろり、さも軽蔑したように見て、(何しとる? 汝ゃ!)と口汚く、まず怒鳴った。
(何じゃ、返事を待った、間抜け。勘定欲い、と取りに来た金子なら、払うてやるは知れた事や。何吐す。……三百や五百の金。うんも、すんもあるものかい、鼻かんで敲きつけろ、と番頭にそう吐かせ。)
(はい、)と、手を支く。
(さっさと去ね、こない場所へのこのこと面出しおって、何さらす、去ねやい。)
(はい、)とそれでも用ずみ。前垂の下で手を揉みながら、手代が立って、五足ばかり行きかかると、
(多一、多一、)と呼んだ。若い人は、多一と云うんだ。
(待てい、)と云う。はっと引返して、また手を支くと、婦の膝をはらばいに乗出して、(何じゃな、向うから金子くれい、と使が来て店で待つじゃな。人寄越いたら催促やい。誰や思う、丸官、)と云ったように覚えている。……」
「ええ、丸田官蔵、船場の大金持です。」
「そうかね、(丸官は催促されて金子出いた覚えはない。へへん、)と云って、取巻の芸妓徒の顔をずらりと見渡すと、例の凄いので嘲笑って、軍鶏が蹴つけるように、ポンと起きたが、(寄越せ、)で、一人剥いていた柿を引手繰る、と