Classiques japonais avec furigana
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なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Lisez 南地心中 (なんちしんじゅう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 205 caractères · 79 écrans
女は世間に何にも出来ん。恋し、愛しい事だけには、立派に我ままして見しょう。
宝市のこの服装で、大阪中の人の見る前で、貴方の手を引いて……なあ、見事丸官を蹴て見しょう、と命をかけて思うたに。……先刻盞させる時も、押返して問うたもの、お珊、お前へ心中立や、と一言いうてくれはらぬ。
一昨日の芝居の難儀も、こうした内証があるよって、私のために、堪えやはった辛抱やったら、一生にたった一度の、嬉しい思いをしようもの、多一さん、貴下は二十。三つ上の姉で居て、何でこうまで迷うたやら、堪忍しておくれや。」
とて、はじめて、はらはらと落涙した。
絶入る耳に聞分けて、納得したか、一度は頷いたが、
「私は、私は、御寮人、生命が惜いと申しません。可哀気に、何で、何で、お美津を……」
と聞きも果さず……
「わあ、」と魂切る。
伝五爺の胸を圧えて、
「人が立騒いで邪魔したら、撒散かいて払い退きょうと、お前に預けた、金貨銀貨が、その懐中に沢山ある。不思議な事で、使わいで済んだよって、それもって、な、えらい不足なやろけれど、不足、不足なやろけれど、……ああ、術ない、もう身がなえて声も出ぬ。