Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なんぽうゆうしん

南方郵信

中村 地平

Lisez 南方郵信 (なんぽうゆうしん) de 中村 地平 (なかむらちへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 899 caractères · 42 écrans

Aozora Bunko

機械は今でも古さびた姿でぽつねんと佇んでいるが、奥地から隣り町へ買い物にでかける百姓や、野菜売りは大抵その前まで来ると、脚をとめる。そして、しばらく思案したのちに、漸く決心がついたように、懐から紐のついた懐中をとりだす。それから銅銭をつまみ出して穴のなかへ入れる。

丁度、感激の最高潮に達した時、呆気なく映画は終ってしまう。すると、百姓は名残り惜しそうに、箱をガタガタ両手でゆすぶってみたり、箱の裏側へなんということもなしに廻ってみたりする。しかし、もう一銭投じない限りは、映画が再び映ることが絶望であることを知ると、しぶしぶあきらめなければならない。百姓たちは急に興奮した顔つきになって、辺りを見廻す。今見た映画の筋や、感想の一端やを、誰かに話すことを思いつくのである。しかし、辺りに誰も人がいないことに気がつくと、再び残念そうに大きな溜息をつく。そして、箱の前をたち去りながら、独り言をいうのである。

「ほんに永が生きしたごとある!」

椎の樹の幹や、葉っぱは夏になると道路の上に、大きな影を落して、天然のビーチパラソルをつくる。そして、パラソルの蔭には、梨売りや、大福餅屋の婆さん達が、小さな店を開くことがある。