Classiques japonais avec furigana
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なんきょくき
南極記
久生 十蘭
Lisez 南極記 (なんきょくき) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 753 caractères · 35 écrans
味を発揮することになるのである。
十六世紀のメルカトルの世界図では、南北の「極」そのものは「恐ろしく高く聳え立つ黒い岩」として表現され、大洋はすべて奔流になって極にある湾の中へ流れこみ、最後は地球の胎内へ吸いこまれてしまうように描かれて居り、トレミーによると、南の極には不可知の火の海があって、そこで船も人もみな焼けてしまうことになっている。
南極の幻想を美事な散文で仕上げをした最初の人はE・A・ポォだが、一八三三年(天保三)頃でも、南極はまだ中世紀のままのすがたをしている。
「瓶から出た手記」では、「発見」という象徴の船に乗り、ニュウ・オランダ(濠洲の古名)の海岸に沿って、いかなる航海者が来たよりもずっと南へ下って行く。流れる黒檀のように黒い永遠の夜の海で、無限の蕩揺をつづけたのち、メルカトル式の南極の渦巻に巻きこまれ、船もろとも地球の内部へ逆落しになってしまう。
「船のそばにあるものは、永遠の夜の暗黒と、泡だたぬ波浪の混沌で、左右、一リーグほどのところに、巨大な氷の城壁が、荒涼たる天空に向って、宇宙の壁のように聳え立っているのが、ときどきぼんやりと視覚にうつる。