Classiques japonais avec furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Lisez 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 55 869 caractères · 112 écrans
売っても大事はないだろう。第一背に腹は代えられない。よしやどんなに人形が大事なものであろうとも、食べられなければ売らなければならない。売ってしまおう売ってしまおう。そうして当座の中だけでも、生活を楽にすることにしよう。
そこで、民弥は切り出した。
「大事な人形ではございますが、小判一枚に青差一本、それでお買い取り下さるなら、お売りすることに致しましょう」
すると猪右衛門は頷いたが、やがてこんなことを云い出した。
「実はな」と薄っぺらな能弁である。「こういう訳でございますよ。ナーニ商売の道から云えば、奈良朝時代の貴女人形、大した値打もありませんので。精々がところ青差二本……ぐらいな物だと思いますので。ところが小判を一枚はずみ、そこへ青差を一本付け、相場違いの大高値で、譲っていただこうというのには、他に目的がありますからで。と云うのは人形のその中に、南蛮寺の謎を解き明かせた……オットドッコイ口が辷った。ナニサナニサそうではない。つまり人形がよいからで。と云うのはそいつが喋舌るからで。さようでございます。人形がね。何と喋舌るかと云いますと、『唐寺の謎は胎内の』