Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

また、いえ

又、家

宮本 百合子

Lisez 又、家 (また、いえ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 120 caractères · 13 écrans

Aozora Bunko

電車の中でも、口を開くと、自ら家のことになる。

家主だと云う質屋を、角の交番の巡査に訊いてAが入って行く。

自分は、程近い停留場に待って居た。場所をきき合わせる位と思ったのに、なかなか出て来ない。歩道に面した店の小僧など、子守などは、不思議そうにじろじろ自分を見る。

待ち、疲れた時分に、やっと、Aは、山高の頂を揺り乍ら現れた。その顔を一目見て、自分は余り思わしくないことを感じた。

「どう?」

自分は彼の方に近より乍ら訊いた。

「さあ、とにかく見ようじゃあないか」

家と云うのは、つい近くの、何々質店、信用、軽便、親切と、赤字で書いた大きなアーチ形の広告門をくぐって行った処に在った。

陰気な、表に向った窓もない二階建の小家の中からは、カンカン、カンカンと、何か金属細工をして居る小刻みな響が伝って来る。一方に、堂々たる石塀を繞し、一寸見てはその中の何処に建物が在るか判らない程宏大な家が、その質屋だと云うのである。

勿論、此家が駄目で、我々は、浮かない表情で戻ったことは明かであろう。

夜具風呂敷の地を買って、いつ引越しでも出来るように、縫わせたり、荷物自動車を調べて見たり、相変らず、私の捜索材料は、唯一つ、毎朝の時事がある許りであった。