Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふるきミニエチュア

古き小画

宮本 百合子

Lisez 古き小画 (ふるきミニエチュア) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 70 298 caractères · 140 écrans

Aozora Bunko

黙って、考えている積りのうちに、彼の纏布を巻いた小さい頭の中には、ぼんやりと、昼間の狩の思い出や、明日の遠乗の空想が湧き上って来る。シャラフシャーは、彼の恍惚(うっとり)とした口つきと、次第次第に面を輝かせる生活の楽しさとを見逃さない。スーラーブは、巧にシャラフシャーが持ち出した新しい話題に全心を奪われ、数分前の拘(かかわ)りを、さらりと忘れてしまうのであった。

然し、それで紛れきってしまうには、彼の受けた感銘が余り強すぎた。ふと、思い出し、急な不安を感じ、スーラーブは同じ問いを母にも持ち出した。

彼は、本能に教えられ、シャラフシャーに対する時よりずっと甘えて、直截に、

「母上、スーラーブの父上はどうしたの? 祖父様はこわい顔をして『父のない息子を見よと云われるな』とおっしゃった。父上は始めっからいないの? 死んだの?」

と、迫る。

始めて、この問いを受けた時、ターミナは、スーラーブが思わず、喉をゴクリといわせたほど、驚きの色を示した。彼女は、スーラーブの傍に躙(にじり)より、手を執り、誠を面に表しながら、彼は今も昔もサアンガンに唯一人の偉い王になるため、天から遣わされた者であるということ、その命令を成就させるために、母もシャラフシャーも心を砕き、神への祈りを欠かしたことはないのだ、と話して聞かせた。