Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こきんしゅうまきのご
古今集巻之五
山本 周五郎
Lisez 古今集巻之五 (こきんしゅうまきのご) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 482 caractères · 43 écrans
四 岡本五郎太の手記
弔問の客は多く、藩主からも近習番の者が、非公式でくやみの意を伝えに来た。父の六左衛門は病気ちゅうのことで、もちろん客の前へは出なかったし、心配したほど驚きも悲しみもみせなかった。
「おまえもおれも女房運が悪いな」と六左衛門は沈んだ声で云った、「どこの夫婦もたいていは女房があとに残るようだが、おれのような年になってあとへ残ると迷惑なものだ、おまえもこんどは丈夫な嫁を貰うんだな」
それっきり、杉江についてはなにも云わなかった。
参覲の供は遠慮を願い出たが、「その必要はない」ということで、予定どおり十五日に、主計は供に加わって江戸へ立った。出立する日の早朝、岡本五郎太が訪ねて来て、「こんどのことを一日も早く忘れろ」と云った。どんな理由があったにせよ、死んだ者はもうかえらない、取返せないことで思い悩むのはみれんだ。幸い、江戸へゆくことだし、土地が変るのを機会にいやなことを忘れるようにしてくれ、と繰り返して云った。
「うん」と主計はなにをみつめるともない眼つきで、じっと脇のほうを凝視しながら答えた、「――そうするようにしよう」
四 岡本五郎太の手記
七月二十一日、永井主計のことで江戸屋敷からまた三通の手紙が来た。