Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふるむじな
古狢
泉 鏡花
Lisez 古狢 (ふるむじな) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 891 caractères · 40 écrans
れた。そこが、野三昧の跡とも、山窩が甘い水を慕って出て来るともいう。人の灰やら、犬の骨やら、いずれ不気味なその部落を隔てた処に、幽にその松原が黒く乱れて梟が鳴いているお茶屋だった。――、鮠、鮴の類は格別、亭で名物にする一尺の岩魚は、娘だか、妻女だか、艶色に懸相して、獺が件の柳の根に、鰭ある錦木にするのだと風説した。いささか、あやかしがついていて、一層寂れた。鵜の啣えた鮎は、殺生ながら賞翫しても、獺の抱えた岩魚は、色恋といえども気味が悪かったものらしい。
今は、自動車さえ往来をするようになって、松蔭の枝折戸まで、つきの女中が、柳なんぞの縞お召、人懐く送って出て、しとやかな、情のある見送りをする。ちょうど、容子のいい中年増が給仕に当って、確に外套氏がこれは体験した処である。ついでに岩魚の事を言おう。瀬波に翻える状に、背尾を刎ねた、皿に余る尺ばかりな塩焼は、まったく美味である。そこで、讃歎すると、上流、五里七里の山奥から活のまま徒歩で運んで来る、山爺の一人なぞは、七十を越した、もう五十年余りの馴染だ、と女中が言った。してみると、おなじ獺でも山獺が持参するので、伝説は嘘でない。