Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lisez 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 220 431 caractères · 428 écrans

Aozora Bunko

と同時に、さすがの右門も、おもわず少しばかりぎょっとなりました。見ると、その黒い色とみえたのは紛れもなく生き血の色で、さながらやつでの葉かなんかを押したように歴然と、切り取った手首のてのひらの跡が押されてあったからです。のみならず、その手形の下には、同じ生き血をもって、次のごとき文字がはっきりと書きしるされてありました。

――あと少なくも十本はこのように手首ちょうだいいたすべくそうろう。

「おそろしくおちついたやつじゃな」

おもわずうなりながら、じっとそこにころがっている腕首を見改めていましたが、と――不意に、右門の鼻先へぷんとにおってきたえもいわれぬかぐわしい不思議な高いかおりがありました。はてな、と思いましたので、腕首を取り上げて鼻先へもっていきながらかいでみると、いかにも不思議! かつて聞いたこともないようなすばらしく上等の香のにおいがするのです。しかも、あきらかにそれが移り香なんでしたから、右門はあわてて腕を切り取られた当の主人のところへやっていって、それとなく身体をかぎためしました。しかるに、奇怪とも奇怪、その移り香はあるじの身についていたものではないのです。