Classiques japonais avec furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lisez 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 241 558 caractères · 480 écrans
右門捕物帖
1
――その第二十七番てがらです。
場所は芝。事の起きたのは、お正月も末の二十四日でした。風流人が江戸雪といったあの雪です。舞いだしたとなると、鉄火というか、伝法というか、雪までがたいそうもなく江戸前に気短なところがあって、豪儀といえば豪儀ですが、ちらりほらりと夜の引きあけごろから降りだしたと思ったあいだに、たちまち八百八町は二寸厚みの牡丹雪にぬりこめられて、見渡すかぎりただひと色の銀世界でした。風がまたはなはだしく江戸前にわさびのききがよくて、ひりひりと身を切るばかり。――しかし、二十四日とあらば、寒い冷たいの不服はいっていられないのです。あたかもこの日はお二代台徳院殿様、すなわち前将軍秀忠公のご忌日に当たるところから、例年のごとく将軍家の増上寺お成りがあるため、お城内も沿道もたいへんな騒ぎでした。ひと口にいったら、芝のあの三縁山へお成りになって、そこに祭られてある台徳院殿さまの御霊屋に、ぺこりとひとつ将軍家がおつむりをお下げになるだけのことですが、下げる頭が少しばかり値段の高い八百万石のおつむりですから、事が穏やかでないのです。七日まえにまず増上寺へ正式のお使者が立って、お参詣お成りのお達しがある。