Classiques japonais avec furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lisez 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 241 558 caractères · 480 écrans
「敬四郎どのと立ち会いのたいせつな吟味だ。おまえなんぞの出る幕ではないよ」
でしゃばり伝六、横からでしゃばりかけたのを一言のもとにたしなめながら、さらに名人は丹念に見調べました。はねのけてははねのけて調べていくと、ぱらり、下へ散ったものがある。水天宮さまのが一枚、蛸薬師のが一枚、浅草観音のが一枚、お祖師さまのが一枚。どれももったいなや、お守り札なのです。――これもまた考えようによってははなはだ重要なネタの一つでした。諸々ほうぼうの護符があるところを見ると、よほどの信心家であるようにも推断されるのです。しかし、その尊いお札がこのようなむさくるしいよごれものの中へ、むぞうさに投げ込んであるところから察すると、必ずしもそうではない、ややもすれば人のひとりふたり、殺しかねまじい女とも考えられるのでした。
名人の目はいよいよ光を増すと同時に、最後の遺留品たる商売道具の小箱に手がかかりました。
あけてみると、孫太郎虫の黒焼きが三十五、六ほどあるのです。それっきりで、ほかには何もない。――いや、ないと思われたのに、さかさにしながら振ってみると、ぽろッ、落ちたひと品が目を射ぬきました。