Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lisez 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 241 558 caractères · 480 écrans
あるべきはずの内裏雛がそろっていない! 矢大臣も、官女も、庭侍も五人囃子もほかの雛人形に異状はないが、肝心かなめの内裏雛が片一方の親王家ご一人だけで、お相方のみ台さまが欠けているのです。
「盗難にお会いなすったのでござりまするか」
「いいえ、それだけのことなら、わざわざお呼びたてすることはござりませぬが、ちとこみ入っておじゃりますのでな、これなる雛のいわれから先にお話しいたしましょう――」
うれわしげに老眼をしばたたきながらこまごまと語りだしたところによると、いかさま少々どころか、大いにいわれ因縁のある雛でした。――ご後室に春菜という孫娘があって、これがちょうど十八歳、内藤小町とうわさが高いほどな美人だそうなが、七つの年に同家中の重役古島五郎左衛門の長子六郎次といいなずけの縁を結び、その約束の印にと、右古島家に歴代伝わる内裏雛を二つにわかち、娘の里のほうへはのちの夫婦の契りを現わし、約束誓言を堅く守らせる意味から男雛の親王さまを分け与え、古島家そのもののほうにはこれまた行く末先の女夫を誓い、うれしい契りの日のよきお輿入れを一日も早かれと待ち願う意味から、女雛のみ台さまを残しておいて、娘の春菜は男雛を、せがれの六郎次はまた女雛を、それぞれいとしい思い人思い雛に愛し祭りながら、この年までの十二歳十二春、なんのまちがい