Classiques japonais avec furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lisez 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 105 caractères · 337 écrans
隠しちゃいけませんぜ。あんたの町内はどこでござんす」
「…………?」
「こわいこたあねえ、ちょっとききたいことがあってお呼び申したんですよ。この近くのお町内ならお知りでしょうが、あそこの岡三庵先生のところのお嬢さんのことを何かご存じじゃござんせんかい」
いぶかしそうに右門の顔を見ながめながら、おどおどと言いためらっていたが、これをみろというように伝六が横からぴかぴかと振った十手に気がついたとみえて、ふるえふるえ意外なことをいったのです。
「ほ、ほかのことは知りませぬが、なんでもお櫃を、おまんまを入れる大きなお櫃を、人にも見せずに毎日毎日宝物のようにして、たいへんだいじにしているといううわさでござります」
「お櫃! 中には、なにがはいっているんです」
「知りませぬ。毎晩夜ふけになるとそのお櫃をたいせつにかかえて、お女中さんをひとりお供につれて、こっそりどこかへ出ていくとかいううわさでござります」
「どこへ行くんです」
「そ、それも知りませぬ。ほかには何も存じませんゆえ、もう、もうごかんべんくださいまし……」
言い捨てると、娘は逃げるように駆け去りました。
聞き捨てならないうわさでした。