Classiques japonais avec furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lisez 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 105 caractères · 337 écrans
だいいち、あの子はいたって内気もの、みだりがましい男狂いのうわさなぞなにひとつござりませぬのに、なんとしたのでござりましょう。そんな、そのような不思議なことがある道理ござりませぬ!」
「でも、現在彫ってあるからにはいたしかたもあるまい。聞き込んだこともあるゆえ、お尋ねつかまつる。当家のご家族は?」
「奉公人残らず入れまして二十八人にござります。父、わたくし、弟、女中が五人、店の者は番頭三人、手代六人、あとの十一人はいずれも十二、三の小僧たちでござります」
年齢のいかぬ小僧たちに、色恋ざたがあろうとは思えない。疑わしいのは、手代六人と、番頭三人の九名です。
「番頭の名は?」
「伝右衛門、五兵衛、正助、みんな五十に近い者ばかりでござります」
「手代どもは?」
「新吉、宗太郎、竹造、源助、与之助、巳太郎の六人でござります」
喜七はおろか、喜の字のついた名も、七の字のついた名まえすらもないのでした。奉公人のうちに嫌疑のかかる者がいないとしたら、結婚当夜招かれた者たちにめぼしを移さねばならないのです。ふと、そのとき、名人の目はもっけもない品を見つけました。床の間にうず高く積まれた祝い品のかたわらに、婚儀招客帳と書かれた一冊が見えるのです。