Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きらこうずけのたちば

吉良上野の立場

菊池 寛

Lisez 吉良上野の立場 (きらこうずけのたちば) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 369 caractères · 24 écrans

Aozora Bunko

「一体、浅野浪人の統領は誰だ!」

「大石と申す国家老でございます」

「大石内蔵助か。あの男なら、もっと事理が分かっているはずだ。わしを討つよりか、家再興の運動でもすると思うが。わしを討ってみい、浅野家再興の見込みは、永久に断たれるのだが」

「さようでございましょうが、禄を失いました者どもは、それほどの事理を考える暇がございますまい。公儀という大きい相手よりも、手近な御隠居を……」

「分かった! 分かった! しかし、内匠頭をいじめたようにとかく噂されている上に、今度はその敵討を恐れて逃げ回っているといわれて、わしの面目にかかわる。来たら来たときのことだが、千坂、結局噂だけではないか」

「なれば結構でございますが。しかし、万一の御用意を」

「だが、引き移るのはいやだよ」

「それならば、、お付人として、手の利いたものを詰めさせる儀は」

「うむ。それもいいが、なるべく世間の噂にならぬように」

「はは」

千坂は、この頑固な爺と気短な内匠頭とでは、喧嘩になるのはもっともだと思った。しかし、この頑固さを、世間でいうように、強欲とか吝嗇とかに片づけてしまうのは当らないと思った。

九