Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうほう

同胞

豊島 与志雄

Lisez 同胞 (どうほう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 713 caractères · 32 écrans

Aozora Bunko

祖父が一番ひどく腹を立てた。それが祖母の骨折りでうまく納った。その女中は、お腹の子供と多少の金とを持って、或る人の所へ嫁入った。そして生れた子供は男の子だったが、すっかりその人達の子として育てられた。父が死んだ時一寸来たばかりで、全くの他人となっていた。今ではその一家は、大塚に紙屋をやっていて、他に二三人子供もあり、わりに楽に暮していた。恒夫の弟に当るその子は、小野田茂夫といって、豊山中学校に通っていた。

「本当ですか、お祖母さん。」と恒夫は叫んだ。「お祖母さんはどうしてそんなによく知ってるんです。」

「表向きどうということは出来ませんけれど、間に人を立てて、影ながら面倒をみてやってるので、すっかり様子は分っていますよ。」

その言葉が終らないうちに、恒夫はふいと立上って、自分の室へ馳けていった。そしてまだ耳に残ってる、弟の名前とその住所とを手帳に書き留めた。それから俄に分別くさい様子をして、祖母の所へ戻ってきた。

「お祖母さん、僕の弟に逢いたいでしょう。」

答がないのでよく見ると、祖母は炬燵の上に顔を伏せて、眼から涙をこぼしていた。

何が悲しいんだろう、と恒夫は一寸考えてみたが、分らなかった。