Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lisez 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 286 caractères · 301 écrans
行き過ぎようとした刹那、その三番目の登場人物が、声も掛けず抜き打ちに、みすぼらしい侍へ切り付けたのであった。その太刀風の鋭いこと、闇をつんざいて紫電一条斜めに走ると思われたが、はたしてアッという悲鳴が聞こえた。しかし見れば意外にも、切り込んで行った武士の方が、大地の上に倒れていた。そうしてみすぼらしい侍が、その上を膝で抑えていた。驚いた四番目の登場人物が、すかさず颯と切り込んで行ったが、咄嗟に掛かった真の気合い、カーッという恐ろしい声に打たれ、タジタジと二、三歩後へ退った。間髪を入れず息抜き気合い、エイ! という声がまた掛かった。と四番目の人物は、バッタリ大地へ膝をついた。この間わずかに一分であった。後は森然と静かであった。と、みすぼらしい侍は、膝を起こして立ち上がったが、それからポンポンと塵を払うと、憐れむような含み声で、
「殺人剣活人剣、このけじめさえ解らぬような、言語に絶えた大馬鹿者、天に代って成敗しようか。いやそれさえ刀の穢れ、このまま見遁がしてやるほどに、好きな所へ行きおろう。……但し、北辰一刀流は、今日限り取り上げる。師弟の誼みももうこれまで、千葉道場はもちろん破門、立ち廻らば用捨せぬぞ」