Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Lisez 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 286 caractères · 301 écrans

Aozora Bunko

と、その石を右手が受け取り、取った時には投げていた。そうして投げた次の瞬間には、左手に握っていた送り石を、すでに右手が受け取っていた。するともうそれも投げられていた。最初の石の届かないうちに、二番目の石が宙を飛び二番目の石が飛んでいるうちに、三番目四番目の石ツブテが、次から次と投げられた。

石は一本の棒となって、周作目掛けて飛んで行った。自慢するだけの値打ちのある、実に見事な放れ業であった。

しかし一方それに対する、周作の態度に至っては、子供に向かう大人といおうか、まことに悠然たるものであって、ただ端然と正面を向き、突き出した鉄扇を手の先で、右と左へ動かすばかり、微動をさえもしなかった。

カチカチと鉄扇へさわる音、トントンと板の間へ落ちる音、それが幾秒か続いたらしい。

「もういけねえ。元が切れた」

甚内の叫ぶ声がした。

周作は微笑を浮かべたが、

「どうだ、甚内、少しは解ったか」

「一つぐらい中りはしませんかね?」

「道場は譲れぬよ、気の毒だがな」

「へえ、さようでございますかね」

「こっちへこい。いうことがある」

元の座敷へ戻って来た。

「さて甚内」と改まり、「思ったよりも立派な業だ。