Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lisez 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 286 caractères · 301 écrans
不思議な商人千三屋
「おお町人か、よく来てくれた。ちょうど無聊に苦しんでいたところだ。さあさあずっと進むがよい」平手造酒は喜んで、歓迎の意を現わした。
「では遠慮なくお邪魔致します」商人はうしろで襖を立て擦り膝をして、はいって来た。四十がらみの小男ではあるが、鋭い眼付き高い鼻、緊張まった薄い唇など、江戸っ子らしい顔立ちで、左の頬に幽かではあるが、切り傷らしいものがつたる。敏捷らしい四肢五体、どこか猟犬を思わせた。藍縦縞の結城紬の、仕立てのよいのをピチリと着け、帯は巾狭の一重博多、水牛の筒に珊瑚の根締め、わに革の煙草入れを腰に差し、微笑を含んで話す様子が、途方もなくいきであった。
こういう場合の通例として身もと調べから話がはずみ、さてそれから商売の方へ、話柄が開展するものである。
「町人、お前は江戸っ子だな」造酒がまずこうきいた。
「へい、江戸っ子の端くれで、へ、へ、へ、へ」と世辞笑いをしたがそれが一向卑しくない。
「いったい何をあきなっているな?」
「へい、呉服商でございます」「女子に喜ばれる商売だな」「その代り殿方にはいけません」「そう両方いい事はない。