Classiques japonais avec furigana
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めいくんただゆき
名君忠之
夢野 久作
Lisez 名君忠之 (めいくんただゆき) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 683 caractères · 32 écrans
又、塙代奴が余の許しも受けいで、無作と他藩の恩賞を受けるとは不埒千万。不得心この上もない奴じゃ。棄ておいては当藩の示しにならぬ。家禄を召上げて追放せい。切腹も許さぬ……という厳しい御沙汰じゃが……」
「それは殿のお言葉が、恐れながら順当で御座ろう。とやかく申しても当、上様は御名君のう。天晴れな御意……申分御座らぬ……」
尾藤内記は唖然となった。長い顔を一層長くした。玄翁で打っても潰れそうにない淵老人の頑固面を凝視した。
二
「……これは如何なこと……御老人までがその連れでは拙者、立つ瀬が御座らぬ。塙代与九郎の家は三百五十石、馬廻りの小禄とは申せ、先代与五兵衛尉が、禁裡馬術の名誉以来、当藩馬術の指南番として、太刀折紙の礼を許されている大組格の名家じゃ。取潰すとあれば親類縁者が一騒動起すであろう」
「イヤ。大騒動を起させるが宜う御座ろう。却て見せしめになりましょうぞ」
「いかなこと。殿の御意もそこで御座る」
「さればこそ。結構な御意……我君は御名君。老人、胸がスウーッと致した。早々与九郎を追放されませい」
「ささ。それが左様手軽には参らぬ。与九郎奴の追放は薩藩への面当にも相成るでな」