Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜんあくりょうめんねずみこぞう

善悪両面鼠小僧

国枝 史郎

Lisez 善悪両面鼠小僧 (ぜんあくりょうめんねずみこぞう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 231 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

「どうぞお上り遊ばして」

「店先の立話も変なものだな。どれちょっと邪魔しようか」

座敷へ通って座を構えると、

「次郎吉どん、おいでかな?」

「離れの方に……まだ眠んで……ホホホ」とお松は笑う。

「白河夜船か。ちと困ったな」

「すぐ起こして参ります」

「少し訊きたいこともあり、少し話したいこともある。それでは呼んで来て貰おうかな」

「かしこまりましてございます」

間もなく次郎吉は遣って来た。

白布で右の肘を巻いている。坐るとピッタリ手を支え、

「これはこれは中條様、ようこそおいで下されました」

そういう声にも元気がない。顔の色も勝れない。

その様子を鋭い眼で、じっと軍十郎は見守ったが、

「内儀」と云って調子を砕き、

「今日はちょっと密談だ。座を外してはくれまいか」

「おやマアさようでございますか」

軽く受けたが不安そうに、

「どんな内緒のお話やら」

「色話だ。心配せぬがよい。アッハハハ」と洒然として笑う。

「おやおや左様でございますか。それはマア大変でございますこと。ほんにそれでは女房がいてはお話しにくいでございましょう。どれ妾は店の方へ」

美しく笑って座を外した。

後には二人差し向かい、しばらく双方とも黙っていたが、軍十郎はややあって一膝々をいざり出た。