Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うそアつかねえ

嘘アつかねえ

山本 周五郎

Lisez 嘘アつかねえ (うそアつかねえ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 523 caractères · 24 écrans

Aozora Bunko

二人で来るときもあるし、どっちか一人のときもあった。お琴の太腿の傷はどうなったものか、まるでそんな事はなかったかのように、いつも元気でよく饒舌った。二度めに信吉がゆきあわせたとき、お琴は子供っぽく笑いかけて、

「おじさんこないだいたお客さんだね」

ちょっと懐かしそうに云ったが、それから突然その笑いが娼婦の誘いに変った。

「あアあ、誰かあたい買って呉ンないかな」

妙な身振りをしてそんなふうに云うこともあった。

その夜はひどい凍てだった。夕方までかなり強い木枯しが吹いていたが、それがやむと急に気温が下りだして、道など宵のうちに凍ってしまった。……わけもなく気の沈む晩で、暗い絶望的なことばかり頭にうかび、酒もむやみに不味かった。「やなぎ屋」のは安酒のなかの安酒で、いつもはそれが一種の佗しい魅力だったのだが、その夜はそんな気分のせいか、二本ばかり飲むとやりきれなくなり、いっそよそへいって飲みなおそうと思った。そして財布を取り出そうとしたとき、松という男がはいって来た。

「ようッ生きてたな、おやじ、有難え有難え」彼はよろよろと台板へのめりかかった、「――人間、生きてせえすりゃあこうして会えるんだ、おらあこれが嬉しくッてしょうがねえ、この、また会えるッてことがよ、そうだろうおやじ、有難え有難え」