Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うそアつかねえ

嘘アつかねえ

山本 周五郎

Lisez 嘘アつかねえ (うそアつかねえ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 523 caractères · 24 écrans

Aozora Bunko

客はたいていがふと紛れこんで来たといったふうな者ばかりで、長い馴染らしい者はなかった。馬道の通りにも夜明しの飲屋がある。安くて美味い酒肴があって、給仕に小女などを置いている店が、とびとびに四五軒はあった。場所柄もあるだろうが、それらの店では客はだいたい馴染が多く、客同志で話したり唄ったり、陽気に飲んで酔うといったふうであった。しかし「やなぎ屋」の客は殆んどが一度きりであった。そして信吉が初めてとびこんで来たときのように、それぞれが暗い重苦しいかげをもっていた。

「――おやじ、強いのはねえか」

ぶすっとそんなことを云って、濁酒に焼酎を入れたのを取って、それをすぐには飲もうともせず、蒼黒いような疲れた顔を俯向けて、なにかぶつぶつ独りで呟いたり、なんども深い太息をしたりする。それから突然その酒を呷り、銭を投げだして、暗い夜半の巷へ消えてゆく。……そういった者が多かった。

「いまの男は首でもくくるんじゃないのか」

信吉は半ば冗談によくそんなことを云った。爺さんはたいがい気のない相槌をうつか、にやにや笑うくらいのものであるが、ときには独り言のような調子で、「――なあに、珍しかアありませんや」