Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
よんじゅうはちにんめ
四十八人目
森田 草平
Lisez 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) de 森田 草平 (もりたそうへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 183 caractères · 112 écrans
で、今日はそのお暇乞いかたがた参上したような次第でございます」
「ほほう、それは重畳」と、兄は何も気がつかぬように言った。「わしもお前のためには、これまで縁辺をたよって、ずいぶん方々へ頼んではおいたが、どうも思うに任せぬ。そういうことになれば、誠にけっこうな次第だ。で、今度の御主人というのはやはり御直参ででもあるのかな」
「いえ、それが」と、小平太はちょっと口籠った。「御陪身ではござりますが、さる西国大名の御家老格……私としては、もはや主人の選り好みはしていられませぬ」
「それはそうだ。武士としては、主人を失って浪人しているくらい惨めなものはない。主取りさえできれば、何よりけっこうだ。時にお前は」と、新左衛門は何やら想いだしたように言い添えた。「去年の暮にも、元浅野家の城代家老大石殿のお供をして、上方へ上ったが、あの方はまだ山科とやらにおいでかな」
「大石様でございますか」
「うん、その大石殿さ」と、新左衛門はじっと弟の顔を見詰めながらつづけた。「じつはその大石殿が、何やら思いたつことがあって、近ごろ江戸に下られたという噂を耳にした。いや、大石殿ばかりではない、旧浅野家の浪人どもおいおい江戸に参着して、何やら不穏なことを企んでいるという風説もある。