Classiques japonais avec furigana
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こっきょう
国境
黒島 伝治
Lisez 国境 (こっきょう) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 336 caractères · 21 écrans
哈爾賓から運ばれたばかりのものを持ちこんでいるのだ。
警戒兵は見のがすわけには行かなかった。
彼れらは、まったく手ぶらで、ただ、衣服を着けただけで上がってくる。たんなる労働者か、百姓のように見えた。ところが、上衣を引きはぐと、どこにどうしてかくしているのか、五十足の靴下が、ばらばらと足もとへ落ちてきた。一人の少年が三十七個の化粧品の壜を持っていた。逃げる奴は射撃した。
それは、一時途絶えたかと思うと、また、警戒兵が気を許している時をねらって、闇に乗じてしのびよってきた。
五月にもやってきた。六月にもやってきた。七月にもやってきた。
「畜生! あいつらのしつこいのには根負けがしそうだぞ!」
ワーシカは、夜が短い白夜を警戒した。涼しかった。黒竜江の濁った流れを見ながら、大またに、のしのしと行ったりきたりするのは、いい気持のものだ。
八月に入って、密輸入者はどうしたのか、ふッと一人も発見されなくなった。「しかし、これで油断をしていると、またきゅうに、ドカドカと押しよせてくるんだぞ!」と警戒兵は考えた。
ある日だ。太陽が没して、まだ、あたりが白く見えていた。