Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
とち
土地
豊島 与志雄
Lisez 土地 (とち) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 719 caractères · 22 écrans
「早えな。」と音吉は声をかけた。
「草刈りに出ただ……。一体お前はそんな服装して………。」
「これから町せえ行くだ。」
そして音吉は相手の顔色を窺った。
「ああそうか。」と云いながら専次は眼で笑った。「おたかんとけえ行くんだろう。知ってるだとも。大丈夫誰にも云やしねえよ。……早う行けよ。」
「誰にも云わねえか。」
「云やしねえったら。……おらもなあ、そのうち逃げ出そうと思ってるだ。こんな所え愚図ついてちゃつまんねえや。その時は頼むぞ。……だが早う行けよ。めっかると面倒だぞ。」
「よし。」
音吉はすたすたと街道を進み出した。歩きながら懐の財布に手を触れてみた。向うの雑木林の彼方には、一筋の軽便鉄道が走っていた。
専次は其処に佇んで、音吉の姿が雑木林の中に見えなくなるまで見送っていた。それからほっと溜息をついたが、急に思い出したように、路端の草の上に手洟をかんだ。
その日は、そしてなお数日の間は、平助の姿が荒地に見られなかった。
雨のない暑い日が続いた。太陽が沈むと、西の空は紅く夕映の色に染められた。夜が明けると、強い朗かな朝日の光が大地の上に照った。そして昼間は、陽炎が野から立昇り、水田の水が湯のように温んだ。