Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちはゆたかなり

地は饒なり

宮本 百合子

Lisez 地は饒なり (ちはゆたかなり) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 874 caractères · 57 écrans

Aozora Bunko

いつも、書いて行くものである。自分が泣いているときでも、憤っているときでも、「彼女は、今理由の分らない悲しみ、悲しみだか何だか分らない一つの心持に泣いている……」と書いて行くものである。

これが、彼女に漠然と理想的人格の価値を感じさせ、欣慕と到達の願望を起させ、また信仰の胚種を、その核の中で微かに膨らせて行った。

それは何だったのだろう。後から考えてもよく分らなかったが、多分、微かに目醒めた理性が、より多くの空想と、感情とに包まれて、全然空想だとはいえず、全然理性だとはいえない、この一の現れとなったのであろう。

かようにして、自由にされ、広い世間と僅かずつ触れる機会の多くなるにつれて、かなり急速に彼女の箇性が形作られて行った。――というより、箇性をやがて作る種々雑多な片鱗が、あっちから、こっちから或は自然に来、或は拾い集められ始めたのだという方が、適当であろう。とにかく、彼女ははっきり「我」というものについて考えるようになって来た。

私はどんな人にならなければならないだろう、そして、どんな人が、ほんとに立派な人なのだろう。

おかあさま知っていらっしゃるか! 先生は知っていらっしゃるか!