Classiques japonais avec furigana
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ちていせんしゃのかいじん
地底戦車の怪人
海野 十三
Lisez 地底戦車の怪人 (ちていせんしゃのかいじん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 55 000 caractères · 111 écrans
そのとき、林檎を手にとってみていたパイ軍曹は、
「おや、これはへんだよ。歯型がない!」
と、小首をかしげた。なぜ、こうして、いくつも、林檎が、ころころ転げだしてくるのだろうか。
林檎の始まり
「ピート一等兵。エンジンをとめろ。そしてこっちへ下りてこい」
と、パイ軍曹は、鼻の下に、鉛筆ですじをひいたような細いひげを、ぴくりとうごかして、さけんだ。
「さあ」
大男のピート一等兵は、地底戦車のエンジンをぴたりととめ、よっこらさと、座席から下りてきた。
「軍曹どの。もう、自分に対し、勲章でも、下さるのですか」
「ばかをいえ。もし、このままうまく地上にでられることがあったら、お前を銃殺するよう、上官に申請してやる」
「じょ、冗談を……」
「いや、ほんとだ。貴様は、じつに、けしからん奴だぞ。この地底戦車内において、指揮官たるおれの眼をごま化し、貴重なる食料品を無断で食べてしまうなどということが、許せると思うか」
「はあ、――」
ピート一等兵は、眼を白黒している。さては、パイ軍曹、自分が林檎をしっけいしたことを感づいたな。
「軍曹どの。自分は、幽霊の林檎なんか、たべないであります」