Classiques japonais avec furigana
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ちていせんしゃのかいじん
地底戦車の怪人
海野 十三
Lisez 地底戦車の怪人 (ちていせんしゃのかいじん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 55 000 caractères · 111 écrans
ところが、黄いろい幽霊は、どこへいったものか、見つからない。
「おやおや幽霊め、とうとう妖怪変化の正体をあらわして、逃げてしまったかな」
そういって、ピート一等兵が、ひとりごとをいったとき、彼の足許に一本の手がころがっているのを発見した。電灯の反対でさっきは、よくみえなかったのだ。
「うあッ、こんなところに、だれが腕をおとしていったんだろう?」
といったとき、その腕が、急に、ぐーっと、うごきだした。怪また怪!
廻れ右!
「ひゃッ!」
ピート一等兵は、その場に、とびあがった。元来、幽霊が大きらいのピート一等兵だったから、おどろくのも、むりではなかった。
だが、あまりおどろきすぎて、前後の見さかいもなくとびあがったものだから、大男の彼はいやというほど、頭を器械の角でぶっつけて、うーんと眼をまわして、その場にのびてしまった。どこまでも、世話のやけるピート一等兵だった。
ぐーっとのびた一本の腕が、やがて床――ではなかった、下になった天井をおさえた。その腕のうえに、肩が生え、それから、頭が生えた。黄いろい幽霊の頭であった。
そこには、黄いろい幽霊が倒れていたのに、そそっかしいピート一等兵は、彼の一本の腕だけ見たのである。