Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こうふ
坑夫
Lisez 坑夫 (こうふ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 690 caractères · 283 écrans
握り拳がぬっと真直に畳の上を擦って、腕のありたけ出たところで、勢がゆるんで、ぐにゃりとした。また寝るかと思ったら、今度は右の手を下へさげて、凹んだ頬っぺたをぼりぼり掻き出した。起きてるのかも知れない。そのうち、むにゃむにゃ何か云うんで、やっぱり眼が覚めていないなと気がついた時、小僧がむくりと飛び起きた。これは真正の意味において飛起きたんだから、どしんと音がして、根太が抜けそうに響いた。すると、さすが長蔵さんだけあって、むにゃむにゃをやめて、すぐ畳についた方の肩を、肘の高さまで上げた。眼をぱちつかせている。
こうなると、自分もいつまで沈んでいたって際限がないから、起き上った。長蔵さんも全く起きた。小僧は立ち上がった。寝ているものは赤毛布ばかりである。これはまた呑気なもんで、依然として毛布から大きな足を出してぐうぐう鼾声をかいて寝ている。それを長蔵さんが起す。――
「御前さん。おい御前さん。もう起きないと御午までに銅山へ行きつけないよ」
御前さんが三四返繰返されたが、毛布はよく寝ている。仕方がないから長蔵さんは毛布の肩へ手を懸けて、
「おい、おい」
と揺り始めたんで、やむを得ず、毛布の方でも「おい」