Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こうふ

坑夫

夏目 漱石

Lisez 坑夫 (こうふ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 690 caractères · 283 écrans

Aozora Bunko

どうも子供だから、しかも満更の子供でなくって、少し大きくなりかけた、色気のついた、煩悶をしている、つまらん常識があるような、ないような子供だから、なおなお不都合だった。そこで汽車賃はありますとも、ありませんとも云いにくかったもんだから、

「少しあります」

と答えた。それも響の物に応ずるごとく、停滞なく出ればよかったが、何しろもったいなくも頬辺を赤くしたあとで、はなはだ恐縮の態度で出したんだから、馬鹿である。

「少しって、御前さん、いくら持ってるい」

と長蔵さんが聞き返した。長蔵さんは自分が頬辺を赤くしても、恐縮しても、まるで頓着しない。ただいくら持ってるか聞きたい様子であった。ところがあいにく肝心の自分にはいくらあるか判然しない。何しろ〆て三十二銭のうち、饅頭を三皿食って、茶代を五銭やったんだから、残るところはたくさんじゃない。あっても無くっても同じくらいなものだ。

「ほんのわずかです。とても足りそうもないです」

と正直なところを云うと、

「足りないところは、私が足して上げるから、構わない。何しろ有るだけ御出し」

と、思ったよりは平気である。自分はこの際一銭銅や二銭銅を勘定するのは、いかにも体裁がわるいと考えた上に、有るものを無いと隠すように取られては厭だから、懐から例の蟇口を取り出して、蟇口ごと長蔵さんに渡した。