Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ほうおんき

報恩記

芥川 竜之介

Lisez 報恩記 (ほうおんき) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 803 caractères · 30 écrans

Aozora Bunko

が、何しろ入用なのは、六千貫と云う大金でございますから、きっと調達出来るかどうか、当てになるものではございません。いや、わたしの量見では、まず賽の目をたのむよりも、覚束ないと覚悟をきめていました。

甚内はその夜わたしの家内に、悠々と茶なぞ立てさせた上、凩の中を帰って行きました。が、その翌日になって見ても、約束の金は届きません。二日目も同様でございました。三日目は、――この日は雪になりましたが、やはり夜に入ってしまった後も、何一つ便りはありません。わたしは前に甚内の約束は、当にして居らぬと申し上げました。が、店のものにも暇を出さず、成行きに任せていた所を見ると、それでも幾分か心待ちには、待っていたのでございましょう。また実際三日目の夜には、囲いの行燈に向っていても、雪折れの音のする度毎に、聞き耳ばかり立てて居りました。

所が三更も過ぎた時分、突然茶室の外の庭に、何か人の組み合うらしい物音が聞えるではございませんか? わたしの心に閃いたのは、勿論甚内の身の上でございます。もしや捕り手でもかかったのではないか?――わたしは咄嗟にこう思いましたから、庭に向いた障子を明けるが早いか、行燈の火を掲げて見ました。