Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぼちてんぼうてい

墓地展望亭

久生 十蘭

Lisez 墓地展望亭 (ぼちてんぼうてい) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 46 485 caractères · 93 écrans

Aozora Bunko

竜太郎は、下士官の控室のような、粗末な部屋の床几で長い間待たされた。査証を受ける外国人が、雨天体操場のようなこの広い部屋にあふれ、四五人ずつかたまりあっては、緊張した顔で何かひそひそと語り合っていた。

竜太郎は、じぶんの隣りに掛けている赭ら顔の英吉利人らしい男に、たずねてみた。

「いったい、何が始まってるんですか」

英吉利人は、肩を揺ったきり、返事をしなかった。

正午近くなってようやく呼び込まれた。査証だけではすまなくて、ここでも、様々と手のこんだ訊問を行ったのち、こんな達示をした。明日以後は、ホテルに宿泊している外国人は、ホテルから一括して査証を受けさせるが、その代り、市中通行を禁止する。それによって、何等かの被害を受けても、当局は、その責めに応じない、ということだった。

「つまり、ホテルから一歩も出てはならないというのですね」

胸に綬をつけた白髯の老士官は、慇懃に微笑しながら、

「万全を願うならば、そうなさるに越したことはありませんな」

竜太郎は、執拗に押しかえした。

「つまり、絶対に外出してはならぬと……」

「そう申してはおりません。そのほうが御安全だろうというのです。