Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つぼ

壺

山本 周五郎

Lisez 壺 (つぼ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 624 caractères · 34 écrans

Aozora Bunko

かれは一本杉の樹蔭へいって立ち、ぐるっとあたりを見まわした、午さがりのやや傾いた日をうけて、杉はいまその影を東のほうへと投げている、その投影を暫く見まもっていたかれは、やがて影のいちばん端、ちょうど梢にあたるところまであるいてゆき、鍬をとり直すと、些かの躊躇もなく力をこめて打ちおろした。

灼きつくような暑い日が続いた、朝夕は幾らか涼風も立つけれど、真昼は木葉もゆるがず、膚を焦がすように照りつける日光と、地から蒸れあがる温気とで、じっとしていても骨のぬけるような感じがする、七郎次はその暑さのなかでけんめいに鍬を揮い続けた。広い野なかの杉が、刻の移るにしたがって、地上へ投げる影の範囲は、考えるほど狭いものではない、しかもそこには生きるちからの勁い雑草が縦横に根を張っていて、打ちおろす鍬をともすればがんとはね返す、土を掘るというよりも寧ろその雑草の根との闘いでさえあった、「だがここにおれの運をひらく鍵がある……」七郎次は歯をくいしばって自分に云った、「これまでの苦心が実るか徒になるか、ここですべてがきまるんだ、へたばるな……」