Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なつくさせんき

夏草戦記

山本 周五郎

Lisez 夏草戦記 (なつくさせんき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 107 caractères · 41 écrans

Aozora Bunko

それで、うん、もういっちまったよ」

「兄やん」その弟とみえる幼い子が云った、「家へ泊ったえらい人はお寺さまへも銭をくれていったじゃないか、兄やんにくれたよりもどっさりさ」

「おまえ知らないんだ、あれはくれたんじゃないんだよ」

「くれたんじゃねえ」そばにいたべつの子が舌たるい調子で説明した、「お寺さんへはくれたんじゃねえよ、あれは死んだおさむらいの墓の……お墓の……なあみんな」

「そうだお墓のあれだよ、お墓の、おとむらいの銭だよ、父うがそ云ってたから」

なにげなく聞いていた娘はそこではっとしたようだった、「死んだおさむらいとはどうしたのか、病気で亡くなったのか」そうせきこんでたずねた。子供たちはよく知らないとみえて、娘のせきこんだ問いには誰もはっきりとは答えられなかった。

「どうしてだか知らないよ、朝はやく大勢のおさむらいが集ってた、そしてそのあとでみたら墓ができてたんだ、誰も知りやしない、そしてみんないっちまったんだよ」

「その墓はそこに見えてるよ」

そう云ってひとりの女の子が道の左がわを指さした。そこは桑畑にはさまれて、かなり広く夏草の生い繁った原になっている、道から五十歩ばかりはいった原のなかに、ひとところ土が掘り返されて、新墓と思えるものができていた。