Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆうがおのもん

夕顔の門

吉川 英治

Lisez 夕顔の門 (ゆうがおのもん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 956 caractères · 29 écrans

Aozora Bunko

三

三

男女は吃驚して、彼の手を振払ったが、楠平は先へ廻って、道に立ち塞がった。

『何とした事です。お嬢様もお嬢様なら、格之進様も又、武士にあるまじき為され方。――さ、お帰りなさいませ』

『…………』

若い男女は、恟んだまま、楠平の甲だかい声に、顔いろを顫かせていた。

『今のうちにお帰りなされば、誰もまだ知らぬ事、お嬢様も傷がつかず、格之進様も御無事で済みましょうが。……おふたりの仲は、楠平も以前から、薄々はお察し申しておりましたが、お嬢様には、親御様のお口から、嫁に遣ろうと誓った歴乎とした良人のある身。――それを、明日は御婚礼という今夜、こんな事を遊ばしては、親御様のお立場は何うなりましょうぞ』

――すると、それまで黙っていた深見格之進は、

『これ楠平。若党の分際で、いらざる事に出洒張るな。もう御城下を出奔したからには、男女の恋は命がけ、ここは二人が、恋に勝つか死ぬかの峠だ』

『では、何うあっても』

『知れたこと!』

『……でも、お嬢様は、よもや御両親を苦境に捨てて、後は何うでもなれというお考えでは御座いますまい。口の巧い、容貌ちの美い男に限って軽薄なもの。――永い行末に、御後悔をなされますなよ』