Classiques japonais avec furigana
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がいまいとのうみん
外米と農民
黒島 伝治
Lisez 外米と農民 (がいまいとのうみん) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 419 caractères · 7 écrans
隣家のS女は、彼女の生れた昨年の旱魃にも深い貯水池のおかげで例年のように収穫があった村へ、お米の買出しに出かけた。行きしなに、誰れでも外米は食いたくないんだから今度買ってきたら分けあって食べましょうと云って乗合バスに乗った。近所の者は分けて呉れることゝ心待ちに待っていたが、四五日しても挨拶がない。買って来たのは玄米らしく、精米所へ搗きに出しているのが目につく。ある一人の女が婉曲に、自分もその村へ買い出しに行こうと思うが売って呉れるだろうかとS女にたずねてみた。農家は米は持っているのだが、今年の稲が穂に出て確かにとれる見込みがつくまで手離さないという返事である。なにしろ田地持ちが外米を買って露命をつながなければならないようなことはまことに「はなし」ならぬ話である。
昨年、私たちの地方では、水なしには育たない稲ばかりでなく、畑の作物も──どんな飢饉の年にも旱魃にもこれだけは大丈夫と云われる青木昆陽の甘藷までがほとんど駄目だった。村役場から配布される自治案内に、七分搗米に麦をまぜて食えば栄養摂取が十分になって自から健康増進せしむることができると書かれてあって、微苦笑を催させずに措かなかったのはこの二月頃だったが、産業組合購買部から配給される米には一斗に二升の平麦が添加されることになった。