Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

よるのわかば

夜の若葉

宮本 百合子

Lisez 夜の若葉 (よるのわかば) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 072 caractères · 24 écrans

Aozora Bunko

親や娘たちも、このごろは妙なあせりかたをしている。そこに何かいつまでも変らない女のみじめさと、そのみじめさからの飾られた計算があるようで、桃子は悲しかった。

「ね、順助さん、そう思わない? そういうこと、みんな女が、男のひとと本当に同じ感覚で歴史の全体の断面を自分のものと感じるところまでいってないからなのよ。自分ひとりの幸、不幸でだけわかって、何だか時代の不幸というような感覚まで行ってないみたいなんだもの――ちがうかしら……」

「うむ……」

永い間黙って歩いていて、順助はぽっつりと、

「愛すということを女はどう考えているんだろう」

と云った。

それは殆ど自分自身に向って訊くような沈んだ調子である。桃子の胸を深い鋭い疼みに似たものが走った。こんなに近い近い自分たち二人の男と女、そしてまたこんなに遠くもある自分たち二人の男と女。これもこれとして一つの完き愛とどうしていえないことがあるだろう。桃子はそう思い、自分たちの靴にふまれて鳴るこまかい砂の音をきくのであった。