Classiques japonais avec furigana
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よるのくつ
夜の靴
横光 利一
Lisez 夜の靴 (よるのくつ) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 107 056 caractères · 213 écrans
死ぬなら共倒れになりたいものじゃ。借りたものだけ助かって、おれだけ死ぬのはおれはいやだ。」
「それはそうだのう。」と一人がぼんやりした声でいう。
「もうこうなれば、誰も米がないということにするより仕様がない。あれがある、これがないといっていたんでは、始まらないじゃないか。あっちから貸せ、こっちから貸せでは、もうおれの米だって、いくらもないわ。新米が出たら返すというが、古米を貸して新米で返されたんじゃ、一升五合と一升二合との替えことで、話にもなるまい。古米は古米で返して貰わねば、ま尺に合わぬわ。」
なるほど、新米一升と古米一升では、炊き増えする古米を貸したものの方が、はるかに損をするということ。これは私には分らなかった。外から観ていただけでは分らぬ多くのことが、山積している日日だ。
「だいいち、実行組合長がこんなことは分っていた筈だろ。」
と参右衛門がいう。この組合長は彼の妻の実家だ。妻の清江を守る意味でも、参右衛門から先だって大きな声で攻めねばならぬ義理があるのだ。
「組合長が米を出せ出せというて、みんな出させたからには、責任を負う覚悟があっていうべきだ。