Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やこうちゅう

夜光虫

織田 作之助

Lisez 夜光虫 (やこうちゅう) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 66 871 caractères · 134 écrans

Aozora Bunko

を知った――それからのことだ。

それから……。

小沢は亀吉と別れて、宿へ帰った。

が、雪子は既に宿にいなかった。

「着物がなくちゃ外へ出られない筈だのに、一体どうして著物を手に入れたんだろう」

と、小沢は不思議に思う前に、まず、

「――あれほどおれの帰りを待ってるように、念を押したのに、どうして、おれに黙って出てしまったのだろう」

と、腹が立った。

いや、むしろ、寂しかった。

「こんなに、おれが著物のことで奔走しているのに……」

という、何かすかされた気持から来る寂しさだけではなかった。

待っていると思っていた雪子の顔が、見えないという寂しさだった。

一夜を共に明しただけで、こんなに親しみ、いや、なつかしさを感ずるとは、一体どうしたことだろう。

その一夜、雪子のからだには指一本触れなかったのに……。いや、むしろそれだからこそ、一層なつかしさがあるのではなかろうか。

取りかえしのつかぬ気持だった。といっても、

「こんなことなら、昨夜なぜ雪子に強く出なかったのか」

という、いやらしい未練ではなかった。

雪子という娘の身のまわりに漂っている何か痛々しい、暗い、寂しい翳への、一種のノスタルジアに似た気持が、「もしかしたら、もうあの娘に二度と会えないのではないか」