Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やこうちゅう

夜光虫

織田 作之助

Lisez 夜光虫 (やこうちゅう) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 66 871 caractères · 134 écrans

Aozora Bunko

はっと思った。

が、気のせいかも知れない。それとも、雨のせいだろうか……。

黒く蠢いたように思ったものの、一向に動き出して来る気配はなかった。

「……追われているわけでもないんだな」

そう呟いた途端、角の家の門灯がすっと消えた。

雨はますます激しくなってきた……。

小沢はどきんとした。

たった一つ点っていたその角の家の門燈が、突然消えたのには、何か意味がありそうだった。

あるいは偶然かも知れない。が偶然にしても不吉な偶然だと思った。

よしんば雨のための停電にせよ、まるでわざとのような停電のような気がした。

しかし、べつに何ごとも起らなかった。いきなり誰かが飛び掛って来そうな気配もない。

してみれば、ただ、門燈が何となく消えたというに過ぎなかったのだ。が、やはり不気味な予感は消えなかった。

とにかく、事情を明らかにすることだ。

「どうしたんです、一体……?」

小沢は自分にしがみついている娘に、そうきいた。

「…………」

娘は答えなかった。

「辻強盗に剥がれたんですか……?」

一糸もまとわぬ裸から、想像できるのは、わずかに辻強盗ぐらいなものだった。

小沢は外地から復員して、今夜やっと故郷の大阪へ帰って来たばかしだが、終戦後の都会や近郊の辻強盗の噂は、汽車の中できいて知っていた。