Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Lisez 夜光虫 (やこうちゅう) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 66 871 caractères · 134 écrans
「へえ……? 伊部君が……」
高利貸に借金するとは、意外だった。
伊部は二十五歳で医学博士になったくらいの秀才で、酒も煙草も飲まぬ、いわゆる品行方正の男だったし、勤務先の阪大病院でもまず相当な給料を貰っていたから、高利貸に金を借りるような生活はまるで想像も出来なかった。
ところが――。
「……敗戦になってから、急に酒を飲みだしたんです」
おまけに煙草は日に八十本、病院もやめてしまい、毎日ぶらぶらして、水すましのように空虚な無為徒食の生活をはじめた――と道子はスカートの端をひっぱりながら言った。
「どうしてまた……?」
そんな風になったのかと、小沢はびっくりして、口も利けなかった。
「それが……」
と、道子はふとうなだれて、
「――あたしにも判らないんです」
「ふーん」
小沢にも無論判らなかった。
「――病院もやめてしまったんですか」
「病院から、来てくれ来てくれって、喧しく言って来るんですけど、どうしても……。戦争が終ってから、何んとなく行く気がしないと云うんです。すっかり人間が変ってしまいましたわ」
あとの方は、声がうるんだ。
「ふーん」
と唸るより仕方がなかった。