Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Lisez 夜光虫 (やこうちゅう) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 66 871 caractères · 134 écrans
「とにかく行ってみよう」
二人は、恋人のように肩を並べて阿倍野橋の方へ歩きだした。
玉造線の電車通へ出て、寺田町の方へ二人はとぼとぼ歩いて行った。
寺田町を西へ折れて、天王寺西門前を南へ行くと、阿倍野橋だ。
途中、すれ違う電車は一台もなかった。よしんばあっても、娘のそんな服装では乗れなかった。焼跡の寂しい道で、人通りは殆どなかったが、かえってもっけの幸いだった。
娘ははだしで歩きにくかったので、急いだつもりだが、阿倍野橋まで一時間も掛った。
阿倍野の闇市のバラックに、一、二軒おそくまで灯りをつけている店があった。
立ち寄って、暖いものでも食べたかったが、やはり裸の上にレインコートだけ、おまけにはだしだという娘の服装が憚られた。
しかし、灯りの見えたことは嬉しかった。この辺は停電ではなかったらしい。
大鉄百貨店の前のコンクリートの広い坂道を、地下鉄の動物園前の方へ降りて行くと、ホテルや旅館がぼつりぼつりあった。
一軒ずつ当ってみたが、みな断られた。
「だめだね」
もう地下鉄の中ででも夜を明かすより方法がない、と娘の方へ半泣きの顔を向けると、
「もう一軒当ってみましょう。