Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lisez 夜明け前 (よあけまえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 205 629 caractères · 408 écrans
まあ、その盃でも乾すさ。」
若いもの二人は旅の疲れを忘れる程度に盃を重ねた。主人が馳走振りの鶫も食った。焼きたての小鳥の骨をかむ音も互いの耳には楽しかった。
「しかし、半蔵さんもよく話すようになった。以前には、ほんとに黙っていたようですね。」
「自分でもそう思いますよ。今度の旅じゃ、わたしも平田入門を許されて来ました。吾家の阿爺もああいう人ですから、快く許してくれましたよ。わたしも、これで弟でもあると、家はその弟に譲って、もっと自分の勝手な方へ出て行って見たいんだけれど。」
「今から隠居でもするようなことを言い出した。半蔵さん――君は結局、宗教にでも行くような人じゃありませんか。わたしはそう思って見ているんだが。」
「そこまではまだ考えていません。」
「どうでしょう、平田先生の学問というものは宗教じゃないでしょうか。」
「そうも言えましょう。しかし、あの先生の説いたものは宗教でも、その精神はいわゆる宗教とはまるきり別のものです。」
「まるきり別のものはよかった。」
炬燵話に夜はふけて行った。ひっそりとした裏山に、奈良井川の上流に、そこへはもう東木曾の冬がやって来ていた。