Classiques japonais avec furigana
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おおとりものせんにんつぼ
大捕物仙人壺
国枝 史郎
Lisez 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 606 caractères · 97 écrans
それより妾にゃその人の方が気味悪く思われるがね」
「うん、こっちは大丈夫だ。俺らが付いているんだからな」
「では行こうよ。思い切って行こう」
そこで二人は露地を出て、浅草の方へ足を運んだ。
「トン公」とお錦は不意に云った。「今日彼奴らと邂逅したよ。源公の奴と親方にね」
「え!」とトン公は怯えたように声を上げたが「ふうんそいつあ悪かったなあ。一体どこで邂逅したんだい?」
「観音様の横手でね」
「それじゃ今日の帰路にだな」
「お前と別れてブラブラ来るとね、莚の上で親方がさ、えて物を踊らせていたじゃないか」
「ふうんそいつアしまったなあ」
「早速源公が後をつけて来たよ」
「え、そいつアなおいけねえや」
「ナーニ途中で巻いっちゃったよ」
「そいつアよかった。大出来だった」
話しながら歩いて行った。
こうして上野の山下へ来た。と五六人の人影が家の陰から現われ出た。
「おや」とトン公が云った時、堅い棒で脳天の辺りを厭という程ブン撲られた。「あっ、遣られた、こん畜生め!」こう叫んだがその声は咽喉から外へ出なかった。たちまちにグラグラと眼が廻り、何も彼も意識の外へ逃げた。
お錦は人影に取り巻かれた。