Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

Lisez 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 606 caractères · 97 écrans

Aozora Bunko

と今度は「爺つあん」の方が、苦悶の色を現わした。

「だから紫錦は俺達のものさ」

「ほんとに居場所を知っているのか?」

「知っていなくてさ。大知りだ」

「どこに居るな? 云ってみるがいい」

「じゃ、よこせ、杉の手箱を!」

隙さず文は手を出した。

13

「その手箱なら手許にないよ」素気なく「爺つあん」は云い放った。

「嘘を云いねえ、ほんとにするものか」文は憎さげに笑ったが、「ではどうでも厭なのだな。ふん、厭なら止すがいい。その代り紫錦を連れて来て、もう今度は遠慮はいらねえ、何も彼もモミクチャにしてやるから」

これを聞くと「爺つあん」の顔は、不安のために歪んだが、

「文! 紫錦にゃ罪はねえ! そんな事はよしてくれ!」

「じゃ、手箱を渡すがいい」

「ないのだないのだ! 手許には!」

「じゃ一体どこにあるのだ?」

「そいつあ云えねえ。勘弁してくれ」

「云えなけりゃそれまでよ。……そろそろ料理に取りかかるかな」

文は部屋から出ようとした。

「オイ待ってくれ、釜無しの!」と「爺つあん」は周章てて呼びとめた。

「何か用かな? え、「爺つあん」?」相手の苦痛を味わうかのように文はゆっくりとこう云った。