Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

Lisez 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 606 caractères · 97 écrans

Aozora Bunko

と思わず呟いた、居合抜にしたもう一人の浪士は、「ウーン」と深い呻声を洩らし、商人に扮した二人の浪士は顔と顔とを見合わせた。

一座の頭領と思われる、琵琶師風の一浪士は、刀の柄を握ったまま堅くその眼を閉じていた。

時はズンズン経って行った。

伊庭八郎とその同志は、勝安房守の指図の下に、毛脛屋敷の表戸を、踏み破ろうと待ち構えていた。

「まず待つがよい」

と安房守は云った。「めったに聞けない名人の曲だ。唄い終えるまで待つとしよう」

それで、一同は鳴りを静め、三味線の絶えるのを待っていた。

さてそれから行なわれたのが、その当時の人が噂した所の「毛脛屋敷の大捕物」であり、そうして後になってその捕物が「仙人壺」というものに関係あり、と知り、改めて「大捕物仙人壺」と呼んだ、その風変りの捕物であった。

何故この捕物が風変わりであり、何故有名になったかというに、先づ第一にそれを指揮した者が、勝海舟という大人物であり、捕物の衝にあたった人物が、伊庭八郎とその門下という、これも高名の人々だったからで。……

そうして捕えられた者共が、千代田城へ放火しようとした精悍な浪士の一群と、当時江戸を騒がせていた、鼬使いの香具師一派という、風変わりの連中であったからである。